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こえていけ《深夜勤務マン5・暫定》
「…………ッ」
悲鳴を上げる様に軋む身体に鞭打って無理矢理動くユーリ。いくら“生命神秘の気”を操って、肉体を強化/進化できるとは言え、それはイコール無限に活動可能――とはならない。
どんなに便利な能力であっても反動はある。特に“生命神秘の気”に関しては彼自身もよく解ってないで使っている状態。おまけにユーリはユーリなりに“生命神秘の気”を警戒していてもいた。
便利だし、この異世界において生きていくうえで必須であったからこそ使う事は厭わないでいたが、それでも超えてはならない一線は引いていた。傍から見るとそうには見えなかったかも知れないが。
肉体改造をギリギリ人間の範疇に収めているのがそれだ。