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いかり《深夜勤務マン3・暫定》
慟哭の様な雄叫びが過ぎ去って……次に沸き上がったのは怒りだった。
――彼女はもう終わった。終わってしまった。
ユーリの中で彼女はもう過去の存在だ。それがどんなに認めがたく、嘘であってほしくても。
真っすぐ、透明なそれを彼は睨む。見えないのにそれが彼女である気がして、上手くできたかは解らないけれど。
身を焦がす程の熱量はやはり怒り。
終わってしまったモノが今更出てくるな、と。何も出来なかったと言う情けない未練ごと、焼き捨てる様に。
燃やす、燃やす。立ち向かう為に、戦う為の原動力を。