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待つ者、立ち向かわされる者4《眠眠マン2・暫定》
「………………」
それを見た時、ユーリは絶句せざるを得なかった。あまりにもその姿は無防備で……。
もしも、此処で暗殺者に襲われたなら呆気なく殺された事だろう。それほどまでに隙だらけだった。
唖然と視線を向ける先は玉座。座る者は――居ない……いや、居る。
そこに座る何者かは半透明だった。窓から差し込む光が微かにその輪郭を照らして、ようやく判別がつく。
――しかし、ユーリにはその姿がハッキリと見えていたようだった。