3805/3919
待つ者、立ち向かわされる者2《深夜勤務マン5・暫定》
――何か居る。
見覚えがある……とまでは言い難いが、かつてレーレと相対した神の居る玉座の間へと至る道で。
ユーリは視線の先に聳え立つ扉の向こう側から放たれる圧に思わず足を止めた。
恐怖を覚えるような威圧ではない。震えや、此処から逃げ出したいと言う感情も湧かない。
あるのはどちらかと言えば大自然を前にして圧倒される感覚だろうか?
偉大な、或いは圧倒的に巨大な自然の威容を前に、己のちっぽけさを再認識させられるような……。
(こっちでは味わったことのない感覚だな…………こっちでは?)