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ユーリの進化と真価3《早出深夜勤務マン2・暫定》
ユーリの感覚は若干バグり始めていたと言う他ない。
殺意や悪意、害意と言うものに対しての感知範囲が大幅に向上していた。有り得ない程に。
登校中、水龍王の娘が気紛れに、けれどしっかりと悪意と殺意を練りこんで氷の針を投擲してきたが……それはユーリの展開した異空間を通って彼女自身へと返された。
いきなり目の前に針が迫ってきた事には彼女は驚いて大げさな、あまり優雅でない声を上げてしまい、周囲の人間に怪訝な目で見られていた。
衆目の前で恥をかかされた(自業自得)水龍王の娘はユーリへさらなる憎悪を滾らせると共に、彼の唐突な進化に唸るしかなかった。




