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朝っぱらからモテ男3《深夜勤務マン2・暫定》
庭に突き刺さった槍はやはりと言うか、アルルウェロメノレーカとジンラーイカが用意したものらしい。
「あー、正直助かる……んだが」
『……?』
『何か問題でも?』
右手で頭をボリボリと搔きながらユーリが怪訝な顔をしつつも礼を言えば、少女の姿をしたまごうことなき龍の二人が首を傾げた。そう、問題はあると言えばある。
「――盗み聞きか?」
『……!』
『ナ、ナンノコトヤラ?』
ユーリが呆れたように言えば即座に意味を理解して明後日の方向をみやる二人。
そう、彼は深夜の事実でぽろっと『槍がいる』と言っただけ。それから数時間程度しか経っていないのだ。




