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止まらない人の背中を追うという事15《お出掛けマン・暫定》
カーニャ・フェリルは――寝ぼけていた。
「んー……もう、腕がパンパン……」
どれ位の寝ぼけ具合かと言うと……意識もはっきりしないまま“祝福”を発動させて剣を召喚したほどだ。
ちなみに召喚された剣は訓練に使うような刃が入っておらず、ただ重いだけのものだった。
「うー……お水……」
剣を手に持ったままベッドから這い出る。ズルズルと引きずったままの剣が重い音を響かせて――。
「――あうっ……!」
見事に扉へ額をぶつけた。何だか寝ぼけて精神年齢も下がっているようだ。




