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止まらない人の背中を追うという事12《眠眠マン3・暫定》
ヨウラもまた同じ夢を見ていた。けれど彼女の立ち位置は他の者たちとは決定的に違った。
ユーリ達の背中は遠い――なんてモノじゃない。岩の牢獄とでも呼ぶべきモノに囚われているのだ。
しかし、それは悪意からきたものではなく圧倒的な善意によるものだった。
――当の本人がそれを望んだかどうかは別として。
ユーリ達は何らかの事情によってヨウラを戦いから遠ざけたのだ。少なくとも、その夢の中では。
手を伸ばしても――その手は届きはしない。
岩を砕こうとしても――ビクともしない。
その夢の中では“大地龍の力”が使えていないみたいだった。




