3753/3971
止まらない人の背中を追うという事11《眠眠マン2・暫定》
カズラクロウスはそれが夢だと理解しながらも驚きを隠せずにいた。
敵の真っ只中を切り裂く様に進むあの男……。自分はその男に寄り添うように傍に居た。
人の姿でも、龍の姿でもなく、ただの風として。
自分だと解る根拠は何も、目には映らないのに解る。それが自分だと。
ただ、どうして自分は風となって彼の傍に居るのかは解らなかった。
でもそれが……嫌だと全然思わなかったのが一番の不思議だ。むしろ嬉しい。例え姿かたちを失っても尚、彼の傍に居続ける事が出来る未来が、そこにあるのだから。




