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止まらない人の背中を追うという事2《きっと寝過ごすマン・暫定》
“初代四姫・フェナン”はやはり不運体質である。
夜遅くに気まぐれで散歩に出た姉を何となく追ったのが間違いだった。
(――嗚呼)
感じた気配は憂鬱。姉が喜んでいるのが解る。彼が居る部屋までは数十メートルはある。
気配が感じ取れれば、姿など見えずとも姉には解るらしい。
そしてフェナンは――やはり数十メートルは離れた姉の背中を見て……また距離が離れた気がした。
間違いなく、フェルタは高揚しているだろうというのが解る。背中しか見えずとも笑っているだろう、とも。強さにひたむきな彼女はいつだって強者の気配に敏感だから。感じ取って喜んでいるハズだ。




