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止まらない人の背中を追うという事《休日出勤マン・暫定》
アムアレア王国“初代・四姫フェルタ”は知っている。
強さとは意思であり意志。要は気持ち一つ。
己の中に揺るがないものが一つあれば、それは鋼の如き硬度と力強さを持って自身を支えてくれるだろう。時に剣となり、時に盾となって。
そう信じるからこそ、彼女は誰よりも“空気”に敏感だった。
時刻は深夜、ユーリの事が気になって彼の屋敷の周辺へ散歩へ出た。ただの気紛れ。野生の勘で彼の覚醒を感じ取った訳ではない。でもそれは勘を遥かに凌駕する“お告げ”だったのではないか?




