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幾度目かも知らない目覚め2《早出深夜勤務マン4・暫定》
ユーリは淡々と部屋の中で鍛錬を始めた。
以前、街の中で買った丁度い長さの棒を振っている。
しっくりくる感覚はあれど、やはり自分に才能なんて欠片も感じない。
世界が塗り替えられる前に北方で七本槍の一人“滑槍”と戦った時にも感じた事だ。
シミズ流の流儀は肌にあっているが、もう実戦からは遠ざかった技術なのを実感せざるを得なかった。
“死返し”で相打ちに持って行けたのはあくまでも“生命神秘の気”による強化の賜物。自身の技術ではない。使える手札は最大限有効活用する主義なので、後悔はないが。




