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遠い背中、いつか追い越していく背中4《早出深夜勤務マン・暫定》
地面(?)を蹴って陽炎へと近づく。相手は近付くとまさしく仮称の通り揺らめいて消える。
そうして、攻撃を躱し一定距離を保つ。ユーリと陽炎の戦いはこの繰り返しを呈していた。有利なのは後者、一方的に攻撃を繰り返す彼(?)にユーリは決定打どころか、有効打を与える事すらできないでいる。
空間を捻じ曲げての距離感を無視した攻撃。同じく空間を歪ませることで攻撃を無効化している……。
まさしく盾と矛。であるならば――話は単純だ。
ユーリは充分にそれをみた。何度も何度も。サンドバックになったのはその為だ。




