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修練の記憶4《深夜勤務マン3・暫定》
シミズ流の師匠はハッキリ言ってろくでなしだ。
一応、道場を継いだものの後継者とか特に考えていなかった。ユーリを弟子に取ったのは本当に気紛れ。
まぁ、連綿と受け継がれてきた無名の武術ではあるが、先祖代々守り通してきた流派でもない。実際、なくなったらなくなったで仕方がない――そう言うスタンスらしかった。
――とは言え、仮にも武術であるからして、戦乱の時代に大勢いた同胞によって全国各地に散っていったらしいのでしぶとく生き残るのではなかろうか?




