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ユーリ・ヒロセver.???5《深夜勤務マン・暫定》
「――フッ!」
熱で空気が歪む白い空間。ユーリはひたすら反復するように演武を行っていた。
今回は無手なので、最近、手合わせするようになったマコトの“椿光陰流”を真似ている。
シミズ流に無手の術がない訳ではないが……演武と言えるほど洗練されたものではない。
だからこそ、ユーリは格好つけて“椿光陰流”を真似ていた――マコトが見たら静かにキレること請け合いである。
(そう考えると、アイツも難儀な性格してるよな)
ふとマコトを思う。彼女に対して特別何か感情を抱いている訳ではない。
同郷であれど接点などないに等しい。ひょんなことから行動を共にしているけれど、それだってなし崩し的なもの。そんな彼女は自らの流派に――と言うか実家に色々と複雑な思いを抱えているのだそう。




