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熱の行き場5《雪・暫定》
『――アチチチチチッ⁉』
ユーリが熱暴走の代償で気絶した後、その影から堪らずと言った様子で飛び出てきたのがアルルウェロメノレーカである。
影と言う名の安心安全であるハズの異空間に居たが、熱暴走による超高温はそんなのお構いなしにとばかりに彼女まで届いたのだ。
つまりそれは、ユーリの影であっても、彼と言う存在に含まれるものまでその代償――“熱”は範囲に及ぶという事。
『影の手なら触れ――熱っ』
アルルウェロメノレーカの影が手となって彼に触れようとするも、実体は持っているが感覚など伝えないはずの影にまでそれは影響を及ぼした。




