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熱の行き場2《超爆睡マン・暫定》
「――――ガ、ァ……!」
かつてない苦悶の声がユーリの口から漏れ出ていた。やはり自分は暑いのが苦手だ――と、苦笑を浮かべようとする。
けれど、出来ない。身体の内側から沸騰するような、軽々しく痛みとも言えぬ身を焦がす熱に。外側からの痛みなら耐えられる。内部の痛みもまぁ、ある程度は。
しかし、ただただ、身に宿る熱だけはどうしようもない。人にとって熱とはあって当然のモノ。
それは否定出来るものではない。ましてやユーリは、ギリギリ人間と言える所まで自信を改造している訳で……。
つまり――その熱は受けて然るべきモノ。
人の範疇で到底耐えられぬモノであっても、耐えるしか術はないのだ。




