3693/3971
熱の行き場《深夜勤務マン3・暫定》
ユーリは暑さが苦手である。“生命神秘の気”による肉体改造、及び強化によってすっかり克服していたが、今回の事は別だ。
身体の芯を沸騰させるような熱が噴き上がるように全身へと駆け巡っていく。そして、それは外に放出されるという概念もなく、身体を循環する。
「――――!!」
延々と消えることのない高熱のサイクルに、ユーリは声なき咆哮を上げる。
表面を焦がされるのと、身体の内側から焼かれるのでは訳が違う。
前者は外的要因だから何とでも対処できるが、後者は自分の身体の問題だ。




