3682/3971
マジ切れする時って何故か関西弁出る5《深夜勤務マン・暫定》
『――熱っ⁉』
濃霧に隠れ、何処に居るとも知れぬ彼女が勝ち誇った顔をした時、異変は起きた。
自身が操る濃霧に紛れて熱が伝わってくる。肌を焼くような感じでなく、熱湯を浴びせられた時のような……。
『……まさか』
水龍王の娘の声が一段低くなる。『してやられた? この私が?』と言う怒りだ。
見下していた下等生物に鼬の最後っ屁だとしても報いられたと言う屈辱。
瞬時に膨れ上がって爆発しそうになる怒りは、しかして爆発する機会を失う。
『――――ッ⁉』
何故なら自分よりも先に――――当に爆発している該当者が居るのだから。




