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マジ切れする時って何故か関西弁出る3《爆睡マン・暫定》
――不運。
これはどんなことにも、どんな生物にも適応されるモノだ。
水龍王の娘はまさにそれだ。
ユーリはアルルウェロメノレーカにもキレ気味ではあったが、あくまでも彼女は彼自身を狙ってきた。正々堂々ではないし、確殺してこようとしたのは確かだが、まだマシな部類だ。
だが、水龍王の娘は違う。
彼自身とついでとばかりに街の住人も巻き込もうとした。脳で理解するよりも先に直感でユーリはそれを悟って街の外を目指した。
――ふざけてんのか?
ユーリは知っている。怒りに身を任せることの愚かさを。
ユーリは理解している。怒りを解放した時の凄まじさを。
ユーリは準備を終えている。怒りを解き放つのは今だと。
水龍王の娘の不運――それはこの男の怒り捌け口を用意してしまったことだ。




