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冷たく澄んだ淀み5《早出深夜勤務マン3・暫定》
水龍王の娘は優位に立っていた。
これは単なる気紛れ。本当に、ただ興が乗ったから、獲物で遊んでいるだけ。
人間より圧倒的に優れた上位種族であるが故の傲慢にして愉悦。それを満たす為だけの遊戯。
――だから上位者は下等種族に討たれる。
彼女は考えてもいない。自分が敗れる姿など。自らの優位が覆される展開など。
――我慢の限界も限界……それが崩れた時に溢れ出る力の凄まじさを。
やはり彼女は紛れもない龍だった。俗っぽく言えば人間を舐め切っているし、龍族の王の娘で強い私は最高!、位には思い上がっている。




