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アナタの隣にいる事が14《早出深夜勤務マン3・暫定》
――自覚はある。あるが止まれないし、止まる気もない。
――嗚呼、これは酔い。ほの暗い冷たい喜びに浸る酔い。
サキ・サトミは並行世界の自分の影響を、もしかしたらユーリ以上に受けているのかも知れなかった。
日に日に増していく彼の強さに対するコンプレックス。
自分にもあの力があったなら、と。
同時にあんな力は認めてはいけない、とも。
最早、理屈ではないのだろう。生物的な嫌悪感とすら言っても良いほどに。
サキのユーリを“認められない”と思う感情は膨れていくばかりだった。




