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アナタの隣にいる事が10《生活時間調整中・暫定》
「~~~~♪」
彼女はその日、見るからにご機嫌だった。
親友とも言える神出鬼没の彼女が此処に居たらドン引きしていたに違いない。
ノルキアーレが鼻歌を歌いながらくるくる回って路地裏を進んでいくのだから。
さながらそれはミュージカルの様であるが、これは現実。
路地裏などと言う世の暗がりに位置する場所に潜む悪意が、見目麗しい彼女を襲おうと動き出す。
だが――そんなもの何の痛痒にもならない。
下卑た笑みを浮かべる男たちが近づこうと瞬間、彼らは見えない糸に吊られて宙に浮かぶ。




