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ある日の休日をユーリと14《早出深夜勤務マン・暫定》
「――ッ」
休日に街をぶらり……しているとキラリと視界の隅で光るモノを見て、ユーリは反射的に身体を動かす。
ひゅっと風を切り、何かが顔の前を通り過ぎていく。剃刀の様なものだったと思う。
「――チッ」
舌打ちと共に、剃刀が近くの石壁に当たって落ちる。
成程、と。ユーリは襲撃者に見当を付けた。恨まれる様な事を積極的にした記憶はないが、やたら自分を恨んでいる人物には心当たりがあるのだ……困ったことに。
(遂に見境がなくなってきたな)
襲撃者――十中八九、サキ・サトミなのだろうが。




