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ある日の休日をユーリと4《早出深夜勤務マン2・暫定》
「…………」
『…………』
痛い位の沈黙が喫茶店の個室の中に満ちる。
そこはユーリ達が良く行く例の店であるが、向かい側で上品にケーキを食べている相手はいつもとは違う。
――テテファグレーン。
再会し、助けられて以降、こうしてちゃんと話すのは実は初めてだったりする。
記憶が残っていても忘れられているユーリはもちろんそうだし、覚えていないのに何処かで彼を覚えているというテテファもまた距離を測りかねている。
だからこうして向かい合っても沈黙しかないのだ。マスターが気を使って個室を使わせてくれたのは素直にありがたい事だったが。




