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ちょっと放課後一人旅3《深夜勤務マン5・暫定》
次にユーリは近場の森へと足を運ぶ。夕暮れの訪れた森は不思議な景観だと、ふと思う。
黄昏時。この光景は昼と夜の狭間。一瞬、刹那的なこの訪れは神秘的でもあり、何処か怪異的ですらある。此処は境界線だ。単純に夜の森の危険性を説くものでもあるが、口では、或いは理屈では説明できない境界線。
昼と夜と言う世界の境界線……。二つを隔てるもう一つの曖昧な世界。
この時間が醸し出す雰囲気や、何かが起こりそうな気配と言うのは、地球であっても異世界であろうと変わりはしないのだろう。
人と言う存在はその不可思議な光景に、現象に、神秘を見て感動し、そして恐れるものなのだから。




