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燻る火種はそこかしこ3《爆睡マン2・暫定》
――下らない。
水龍王の娘は興味がないものにはとことん興味がない。徹底的な無関心を貫く。
代わりにその反動だとでもいうのか興味が向いたら一直線だ。
今、彼女にとって大切なのは母が力を分け与えた娘――ローラと言う名の女性である。
彼女は良い、凄く良い。冷たく、澄んでいる。そして、目に見えない深い、深い場所に……ゾッとするほどに冷え切った澱みがある。
水龍王の娘にはそれがひどく美しく見える。きっと、母も同じだろう。だから力を貸し与えている。




