3615/3973
ようやく交わるいつかの時間5《深夜勤務マン4・暫定》
それは夢だった。幸福を求めた誰かの夢。
交わるはずだった物語。交わらなかった絆。不幸も絶望もひっくるめて逆転する……夢物語。
しかし、それは確かに――遥か険しい道程を、世界を超えて此処に成った……のだろう。
「……腕が痺れてるんだが」
眠りから覚めた彼は両腕にかかる重みにそうぼやく。彼が望んだ結果がそれなのか、彼女たちが望んだ結果がこれなのか。誰にも、誰にも恐らくは断定など出来るものではないのだろう。
けれど――――此処にようやく交わった。




