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いつか、何処か、風化した、夢5《深夜勤務マン3・暫定》
――やり直せたらなぁ……。
口には出さずとも、彼女は常々そう考えていた。そんな都合の事なんて起こりはしないのに。自分が一番それを知っているのに。
だが――――だが、その願いは繋がれた。
奇跡と言うには胡散臭く、因果と言うには仰々しい。
しかもそれは後悔を覚えている訳でも、彼女の意志が少しでも残っているものではない。
並行世界の自分へその願いが届いた……と言う訳でもない。
ただ――並行世界の自分の結末を変える一助になっただけ。
見届けられる時間はなくとも、確信だけを抱いて彼女は…………死んだ。




