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さらっと修羅場になる屋上《深夜勤務マン2・暫定》
自分を囮として屋上に雷龍王の娘を誘き出したユーリ。好戦的な彼女と一触即発の状況――に手を出したのは闇龍王の娘だった。
『余計な……こと……すんな』
ズズズ、と。音を立てて屋上に現れた黒い渦から、気だるそうな感じながらも苛立ちを募らせた声が響く。そこから『よいしょ』と梯子を昇る様な動作で出てくる闇龍王の娘。
闇龍王の娘はクセっ毛の長く、暗い色をした紫の髪を持つ少女だ。顔は髪で殆ど隠れているが、目の下には隈らしきものがくっきりと浮き出ていて、見た目だけの印象で言えば不健康そうであった。




