3584/3974
さらっと現実へ帰還して……4《湯治マン・暫定》
――ユーリの元に訪れたのは雷龍王の娘だった。まぁ、予想していた事だったので驚きは無いが。
『――あはっ♪』
彼女はにんまりと――それはそれは楽しそうに、そしていやらしく嗤った。
とびきり楽しい玩具を見つけた目……。龍の生物としての傲慢が良くも悪くも滲み出た嫌な嗤いだった。
「何か用か?」
バチバチと虹色の輝きを放ちつつ、帯電させた状態でユーリは待ち構えていた。完全な戦闘態勢。向こうが友好的な、或いは平和的な態度で来るとは微塵も思っていない、と。その姿勢が物語っていた。
――やるならやってるぞ?




