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問題龍、連行されるってよ3《深夜勤務マン2・暫定》
――それはやって来た。
地の底から伸びて来た巨大な岩の手。
熱風と共に現れた炎の竜巻。
姿こそ見えないが、刃物を研ぐかのような鋭利な響きを鳴らす風切り音。
暗闇にバチバチと紫色の光を走らせるは雷。
気付けば薄っすらと漂ってくる冷気は何処までも澄んでいて、だからこそ恐ろしい。
そして――いつの間にかユーリの真横に揺蕩う純白の光。
――それらはやって来た。異変を察知して。
――それらはやって来た。同胞の馬鹿を知って。
――それらはやって来た。とある青年に興味を持って。




