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未来に光が射すと信じて4《調整マン・暫定》
『我は悪くない』
――良し、殴ろう。
ユーリは即座に決断した。“龍”と言う存在はこの世界でも圧倒的上位の生命体。故に傲慢になるのは解らないでもない。だが、こうしてはっきりと口に出されれば話は別。
遥か格上の強者に牙を剥くのは、脆弱な生命体の特権だろう。
何より、ユーリは自分に降りかかる理不尽や、悪意にはとことん抵抗すると決めている。
ただ、自分らしくある為に。ただ、気に食わないから。ただ、許せないから。
それでいいのだ。拳を握る理由は。




