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それは“象徴”なんて呼ばれてた2《調整・暫定》
“象徴”に関わって無事だった人間はいない。幸福な人生を送って亡くなった“象徴”は居なくもないが……“象徴”が死ねば、それまでの加護は無くなる。
関連性があるかどうかは神のみぞ知るだが、“象徴”が死ねば待っているのは衰退だけだ。
幸いな事に“象徴”はユーリ・ヒロセが居た並行世界の地球が生み出したシステムだ。
死ねば、新たなる“象徴”が補充される。ただし、それには時間がかかるし、“象徴”には周囲を加護する能力があっても、自分を守る術は渡されてはいない。
ユーリが出会った彼女は生まれつき身体が弱かった。ロクに出歩けもしないのに、その精神は老練とも言う程に熟成されていた。




