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だとしてもその先へ行く3《遅番マン2・暫定》
ユーリは知っている。どれほど辛いことがあっても、本人が強がってしまえば周りはそれで納得する。自分で折り合いをつけられたのだ、と安心する。
漫画やテレビドラマの様に気付いてくれる都合の良い存在なんていない事を。
声なきSOSはいつだって何処からでも鳴り響いている。
それに気付ける存在こそが、きっとヒーローと呼ばれるんだろう。
自分は違う。ユーリはそう思う。手を伸ばされれば、それを掴もうとはするが、自分からは動かない。それをお節介だと、善意の押し売りだと後で詰られても困る訳であるし。




