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だとしてもその先へ行く《人形・暫定》
(なるほどな……)
光の球体となったユーリは諸々の事情を把握していた。
――と言うか、何度も変な空間に引きずり込まれているので慣れてしまったのだ。少なくとも冷静に情報を分析するくらいには。
(つーか、何で俺が光?)
『似合わねー』と感情のこもってない声で呟くも、それは声として発される事はない。何しろ、今のこの状態は力同士のぶつかり合いで生じた疑似的な精神空間だ。ユーリ達の身体は今もあの場所にあって、時間はほぼ止まったまま。意識だけが一瞬のようで永遠の様なこの空間へと飛ばされているだけだ。




