3527/3979
凍てつく程の闇2《眠眠2・暫定》
「――ちょっと不味いか……。ヨウラ、俺の後ろに」
「……大丈夫?」
「何とかするさ」
共に前線へと立って岩の壁を展開していたヨウラが不安そうにユーリを見上げた。
彼の危惧は間違ってなどいない。“龍の力”には“龍の力”。そうして闇色の吹雪に対抗したものの、効果は芳しくない。それもそのハズ、同質の力とは言え、そこには相性関係が有り、力そのものの上下関係がある。
ローラは元々持っていた水と氷の力――そこに加えられた新たな力によって今は氷に性質が偏っているらしいが。




