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黒幕と凍り付いた心2《血生・暫定》
黒幕はその人間を見た時、『ビビっと来た』らしい。
人間にちょっかいをかけるのは簡単だ。自分の力で異空間を作った。
――ちょっといい加減に造った所為で精神に色々と負荷がかかる仕様になってしまったが……。
そうして招いた人間の中で、面白い人間を見つけた。
その人間は……“同族”の匂いをさせていた。古い馴染みのアイツだ。
しかし、どうもアイツに見出されたにしては……匂う。
暗く、澱んだ気配だ。陰鬱と言うよりは純粋なほの暗さ、と言うか。
とにかく、それは黒幕の好むものだった。だから、ちょっと混ぜ込んでみた。己の力を。




