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黒幕と凍り付いた心《遅番マン5・暫定》
『むぅ……おかしなことになったのう……』
――今回の件はの黒幕は頭を抱えていた。
ちょっとだけ人間にちょっかいを出したつもりだった。それがこの大惨事だ。
そもそも、普段から人間と関り合いを持たぬ存在が、相手の尺度に合わせた行動を取れるわけもない。
今回の件は正体を隠しもしない国の王が平民と関わろうとしたようなものだ。国王側は平民の素が見たくても、平民側が対応できるわけもない――それが解らない。解らないからこそ、行動してしまう。自分の望みを押し付けてしまう。




