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奥へと一歩3《遅番マン2・暫定》
――進むにつれ、敵の攻勢は苛烈になっていくばかりであった。
「――無尽蔵なのでしょうか?」
疲れを全く見せない様子で敵を捌きながら、ハレィピナが呟く。それに反応した面々は心底嫌そうな顔を隠さなかった。いや、一人だけ『あらー』とのんびりした声が出ていたけれども。
「流石にそれはない…………と思うが」
ユーリは顔を顰めつつそう言うも、確証など何もない。幸い、量に頼った攻撃だけあって、質はそれほどでもない。ただ単に鬱陶しいだけだ。それでも、確実に足が鈍っているのも確か。




