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孤独と拒絶の氷龍3《遅番マン4・暫定》
「よいしょー」
間延びした声が戦場に響く。その声だけ聴けば戦場には場違いだと思うだろうが、目に映る光景は大抵の人間を唖然とさせただろうし、その頬を引き攣らせたことだろう。
嬉々として戦い続けるフェルタを見守っていた一同は少しだけ、彼女の事が意識から外れた。
だから、暴れまわる氷龍とフェルタの真横から彼女――イルドゥニーカが近付いているのに気付いた時は皆が言葉を喪って、思わず彼女が居たであろう自分達の後ろを見てしまったのは仕方がないだろう。




