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極端な望みの果て2《読書マン・暫定》
巨大氷樹の中に閉じ込められた人間の数は十や二十ではなかった。
それが誰であるかまでは判別できないが、少なくともユーリの放った“生命神秘の気”は凡その人数を割り出していた。不幸中の幸いなのはまだ生きていること。
ただし、そこからどう救出すべきかは不明。氷樹を破壊する事は今のメンバーで十分可能だとは思うが、中から人々を取り出しても大丈夫なのかすら解らないからだ。
そうとくれば……方法は一つ。
「ここの主に話を聞きに行くしかないか……」
ゴキッ、ゴキッ。指を盛大に鳴らしてユーリが唸る様に呟く。




