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通路を抜けて2《遅番マン2・暫定》
「どうだハレィピナ? 何か解ったか?」
「装飾などの様式は礼拝堂にあったものと一致しますね」
「――って事は……」
「はい、同じである事は意外に収穫はありません」
『はぁ』と揃って溜息を吐くユーリとハレィピナ。依然として、この空間やそこにあるこの建物のこと、学園都市を襲った理由や関連性が何一つ見えてこない。
人に悪夢を見せて操る。氷。空間を捻じ曲げる。解っている事は少ないのに、解らない事は数え切れない程に増えて行く。
そう言った現状に対して行き当たりばったりで何とかやっていくしかないのだと言うのが、結局は最適解になってしまうのが嫌なところだ。後手に回ってばかりで主導権を握れないと言う事なのだから。




