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イルドゥニーカの悪夢《編集中・暫定》
――イルドゥニーカにとって世界は“脆い”の一言に尽きた。
持って授かった“祝福”はあらゆるものを“崩壊”させてしまう。幸いにと言うか、強力であるが故に付けられた安全装置なのか、“暴走”する事はない。威力を絞ると言った事は出来なかったけれど、効果範囲を調節する事は可能だった。
――出来るだけ、被害は最小限に。
力を初めて行使してより、彼女が心に刻んだ方針がそれだ。与えられた力は余りにも強大過ぎて、重く彼女へと圧し掛かる。使うべきか、使わざるべきか。
“祝福”は平等だ。少なくとも生まれ出でた生命全てへ配られる贈り物だ。
――中身は余り公平ではなかったけれど。




