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突入、悪夢空間!5《遅番マン3・暫定》
「……ユーリ、あれ」
ヨウラが指差した先にはイルドゥニーカが佇んでいた。彼女の足元から花畑はサラサラと砂へと分解――否、崩壊していく。それこそが彼女の“祝福”。暴走させることはなく制御は出来るが、その性質故に威力の調整など出来ない。
出来る事はただただ破壊することだけ。本人が持つ穏やかな性質とは相反するような“力”は、果たして彼女にどのような影響を与えているのだろうか? ユーリには想像もつかぬ事だ。
「取り敢えず、呼んでみるか? おーい、イルドゥ――」
合流出来た事に内心安堵しながらも、呼びかける事にしたユーリ。この時、怠っていなかった警戒をほんのちょっとだけ緩めてしまった事は彼の落ち度ではない。




