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突入、悪夢空間!2《遅番マン・暫定》
「こいつぁ……何とも悪趣味だな」
異空間のトンネルを抜けた先に広がる光景……それは一面の花畑であった。空模様は相変わらず真っ黒で赤い月が浮かんでいたが、地面に生い茂るそれは真っ当なものであった。
普通の花畑だ。色とりどりの美しい花畑。だからこそ、ユーリはそれを悪趣味と吐き捨てた。まるで悪夢の中に一筋の希望を見出させるかのような演出。あまりに不釣り合いな場にそぐわぬ違和感は一体どんな罠と絶望が仕掛けられているのだろうか? 疑いと不信感は募る一方である。




