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邪悪とされるモノ3《遅番マン3・暫定》
『ギョル』
「いや、そんな鳴き声なんかい!」
一声上げて動き出した“邪神像(仮)”に思わず突っ込んでしまうユーリ。
それも仕方ないかも知れない。もっとおどろおどろしい奇怪な叫び声を想像していたが、マスコットキャラクターの様な可愛らしい声だったのだ。ギャップ萌え――とはお世辞にも言えない見た目であれば、ついツッコミを入れるのも仕方ないのかも知れなかった。
『ギョルッ、ギョルッ!』
“邪神像(仮)”はユーリのツッコミを無視し、まるで宇宙と交信するかの様に両腕を広げ、天を仰ぎ始めた。




