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ありきたりな兵死3《遅番マン4・暫定》
――イルドゥニーカは『私はー、二代目四姫の中でー、最弱ー、ですー』と自分からニコニコ笑って話すタイプである。
実際、その言動や、外見に騙されてきた者は多い。基本的には温厚で争いを好まない彼女ではあるが、きちんと自分の能力を把握している。なのに、彼女は敢えて己を『最弱』と称する。
その結果、どうなるのか? “最弱”と言う蜃気楼にも似た罠へ群がる愚者たちにとって、彼女は誘蛾灯の様ではなかったか?
争いを好まないハズの彼女の足元に散らばる大量の砂は、白いのに赤い水溜まりの様にも見えるのだ。




