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悪巧みを開始してみる?4《遅番マン5・暫定》
「相談なんだが……」
部屋の隅へとノーレを手招きし、耳を拝借とユーリ。
(ジェミカと渡りを付けられたりしないか?)
「――は?」
ボソボソと耳元で囁かれ、こそばゆい感覚を覚えていたのはまさに一瞬。
ユーリの低音ボイスにちょっとドキドキしたのに浸る時間もなかった――それほどの衝撃だ。
例えるなら『私と居るのに他の女の話しないでよ!』の感覚に近い……少なくとも、ノーレの感覚としてはだ。実際、『お前しかいない(主観、美化補正アリ)』と頼ってきたのに、その頼みが“他の女”との繋ぎを求める事だと思ってもみない。
――と言うか、意図を説明せず、やったことだけ並べると結構クズな事をしているユーリである。




