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絶賛、後ろへ前進中!3《読書マン・暫定》
「誰か来ます!!」
馬車の屋根の上に乗り、後方の警戒に当たっていたマコトが警戒を促す。
視界に映る豆粒の様な姿がどんどんとその大きさを増していく。普通の、馬や人間の足で出せる速度ではない。まず、紛れもなく“祝福”の力によるもの。近付く度に『シャーッ』と言う物音は一体、如何なる技によるものなのか……。
「――ッ!? 滑る奴か!」
「――! 六番槍の“滑槍”ですか!!」
聞き覚えのある音にユーリがハッと声を上げれば、ハレィピナがそれに続く。
ラスベリア帝国が誇る最高の武人達、“七本槍”。その六番槍の名は“滑槍”。本名を“アデルト・カルヴァン”……。
世界が書き換わる前、ユーリを追い詰めた男である。




